去年僕は厄年だった。
厄年だったんだ。
僕は今年後厄だったんだ。
そうなんだ。
厄年。
僕自身には何にも、何にも悪いことなんてなくて。
むしろ、たくさんたくさん良い事があって。
でも僕のまわりで
僕のまわりのとても大切なひとが
そう、じいちゃんの時と同じように
僕が何にもしないうちに
何にも何にも何にも返せないうちに
いなくなってしまったよ。
いつだってそうなんだよな。
もう少し先でいいと思ううちに
もう少し甘えていたいと思ううちに
もう少し緩く静かに続けていこうなんて思っているうちに
思ってもいないタイミングで
ふっ、と消えてしまう。
いや、本当は分かっているんだよな。
うん、分かってる。
分かってはいるんだけど
いつかはその時が来てしまうことは分かっているんだけど
それを真っ向から受け止めるとその時がすぐそこに来てしまうようで
怖かったんだな。
で、怖がっているうちに
何にも出来ないうちにその時が突き刺さってくる。
ぐさりと。
何度もね。
…そういえば、厄年の厄は自分に来ない場合
まわりに来るんだってね。
でも、もし僕の厄だったらさ、やっぱり僕に来るべきだと思うんだよ。
僕を直接苦しめてほしい。
こんなふうにまき散らすことないんじゃないかしら。
こんなふうに僕が何かするより前にその時間を奪うことないだろう。
それともこうやって手遅れを何度も僕に味わわせて
僕が変わるのを待っているんだろうか。
それまで僕はこんな風に手遅れに何度もぶち当らなきゃいけないんだろうか。
僕はそんなに強くない。
僕は弱い。
僕自身をどんなに痛めつけてくれてもかまわないけど
そんなのとっくに慣れたけど
まわりのひとに手を出すのはずるいよな。
卑怯だよ。
次はちゃんと僕に来いよ、直で。
誰に言っているのかはよく分からないんだけど
でも何だかどうしても納得がいかなくて。
冬の夜は一年の終わりを突き付けてくるから
どうしても頭を離れないことがいつもより強烈に迫ってくるんだよな。
次はちゃんと僕に来いよ、直でさ。
本当、頼むよ。
もうまわりから崩すのはなしだぞ。
…眠れないと何時にも増してろくなもん書けんな。